プロスカーに対する禁忌

プロスカーはプロペシアの5倍の成分を含み、その効果は大きいので使用する際には錠剤を分割して服用することがありますが、効果が大きくあくまで治療薬なので副作用や人によっては使用禁忌があります。
初めて使用する方、身近に実際に使用している方がいる人など、安心して使用するために是非知っておくべきことなどをご紹介いたします。
禁忌事項を見ていく前にまず、プロスカーの効果、用法なども併せてみていきましょう。

プロスカーについて、詳しくは「プロスカーとは」も参考にしてみてください。

プロスカーの効果と用法

米国の大手製薬会社であるメルク社が製造しているプロスカーにはフィナステリドという成分を含んでおり、薄毛や抜け毛などAGAの原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑制し、発毛に必要なホルモンを活性化させてAGAを治療することができます。
このフィナステリドを含め製剤をAGA治療で用いる際には通常、1mgを1日に1回経口で服用しますが、プロスカーは1錠に5mgのフィナステリドを含んでいるため、4または5分割したものを1日1回服用することが推奨されています。
服用する効果的な時間は特段ないですが、安定的な効能を取り入れるためにはなるべく決まった時間帯に飲む方が良いとされています。
また、時間帯以外にも激しい運動後や寝起きのタイミングで服用するのは避けるようにしたほうが良いでしょう。
その他、3か月の連日投与により効果が出る場合もありますが、効果が確認できるまで通常6か月の連日投与が必要であるとされており、効果を持続させるためには継続的に服用する必要がります。
しかし本剤を6か月以上、服用しても効果が見られない場合は投薬を中止するようにし、それ以上の投与をする場合であっても定期的に効果を確認し、続けて投与していくことを都度、検討する必要があります。

プロスカー使用時の禁忌及び注意事項

プロスカーの効果と用法などについて簡単に理解したところで、使用時の禁忌および注意事項をみていきましょう。
まずプロスカーは20歳未満の方あるいは女性の方は服用してはいけません。
プロスカーの錠剤自体にはコーディングされているので問題ありませんが、錠剤を分割するとき、特に女性の方で妊娠している方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方はフィナステリドが皮膚から吸収される恐れがありますので、決して触れないように注意するようにしましょう。
フィナステリドを服用し、体内に取り込まれるだけでなく、触れるだけでも皮膚や器官からも吸収されてしまいます。
男性においてもプロスカーはフィナステリド成分を5mg含んでおりますが、通常では1日1mgとなっており、摂取量が増えすぎると精子に影響を及ぼすことがあるとの発表もあります。
また、本薬剤を使用した方で本薬剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方や生理機能が低下している高齢者の方も注意することが必要です。
最後に注意する点としてはフィナステリド成分を含んだ本剤は一時的なものとして初期に脱毛が起こりますが、慌てずそのまま服用を続けていれば、いずれ初期の脱毛現象は収まります。
初めて投与し、脱毛が起こっても初期症状という認識のもと心構えをしておくと良いでしょう。

プロスカーの副作用について

頻度などは不明とされていますが、本剤を投与することで発生する副作用は主に以下のようなものがあります。
蕁麻疹、発疹などの過敏症や勃起不全、精液の質低下、無精子症、睾丸痛など生殖器関連、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇などの肝機能の障害、その他、乳房圧痛、乳房肥大、抗うつ症状やめまいなども発生するので、もしこれらの症状または異常が現れた場合には投与を中止し、医師に相談するなど、適切な処置をとるようにしてください。
また、勃起不全など、性欲減衰として副作用が挙げられますが、これは男性ホルモンのテストステロンの働きを抑制することで起こり、頻繁に起こる現象なので事前にパートナーにその旨を伝えておくことがいいでしょう。ただ服用を続けていくとその効果は減少していくとされています。
しかし、性欲減衰や勃起機能不全などの心配については、本剤を服用するとDHT（ジヒドロテストステロン）が減少し、男性ホルモン（テストステロン）が微増するので、男性機能の低下は起こり得ないとも言われております。
なお、肝機能障害においては本剤の代謝が主に肝臓で行われるため、服用の際は医師との相談を十分にするようにし、服用後に全身の倦怠感や食欲の不振を感じる場合には医師の診察をうけるようにしましょう。
それ以外において、因果関係は不明とされているがフィナステリド成分を含め薬剤を服用した方で男性乳癌が報告された例があります。

プロスカーの効果はその成分の含有量の通り、通常の5倍あるだけに、使用上の注意点には気を付ける必要があります。
また、効果があまり出ないというだけで、無理に服用回数や摂取する量を増やさないようにし、正しく安全に使用するようにしましょう。